半導体用フォトマスク
バイナリーマスク

バイナリーマスクとは単純な遮光膜のパターンのみで形成されるマスクです。単純に光を透過する/遮断するという機能のみのマスクで、主として露光波長以上の太さのパターン形成に用いられます。
また、先端のハーフピッチ32nm以細の液侵露光においては、ハーフトーン形位相シフトマスクと比較してバイナリマスクの方に優位性がある事が分かりました。凸版印刷はブランクスベンダーと共同開発により、より加工性の高い新型バイナリブランクス(OMOG:Opaque MoSi on Glass)を開発、寸法精度および解像性の高いバイナリーマスクの作成を可能にしました。
位相シフトマスク
位相シフトマスク(Phase-Shifting Mask:PSM)とは、光の位相や透過率を制御する事で、ウエハーへの露光時の解像度や焦点深度(DOF:Depth of Focus)を改善し、転写特性を向上させたフォトマスクです。露光波長以下のリソグラフィーでは標準的に使用されている技術です。
代表的なものに「ハーフトーン型(Attenuated PSM)」や「レベンソン型(Alternative PSM)」等があります。
ハーフトーン型位相シフトマスク

ハーフトーンマスクとは、180度の位相差を付けた半透明遮光膜を用いたフォトマスクです。
光は物質を透過する時に伝播速度が遅れ、その分だけ位相が変わります。その性質を利用して、半透明な遮光膜をフォトマスク上に付けるとパターンの部分に局所的に位相を変える事が可能となります。この半透明薄膜を「位相シフタ」と呼びます。
位相シフト法とは、転写すべきパターンが形成されているフォトマスク上に光の位相を変化させる部分(位相シフタ)を設け、シフタを通過して位相が変わった光と、シフタを通過せずに位相の変わっていない光との干渉現象を利用して、解像力を向上させる手法です。
EUVマスク

EUVマスクは次世代フォトリソグラフィーの第一候補として挙げられている技術です。既存のDUV光(ArF:193nm)よりもさらに短い波長のEUV光(13.56nm)を用いるので、より微細なパターンの露光が可能となります。
しかし、従来のDUV光を用いた技術とは異なり、EUVはガラスレンズによる光の屈折現象で集光が出来ないため、ウエハー露光機およびマスクは全て反射光学系となります。
トッパンはパイロットラインを構築し、将来の量産技術確立に向けた基礎評価を行っています。
ニュースリリース
シリコンステンシルマスク

シリコンステンシルマスクは、パターンを形成するためにナノスケールの貫通開口を加工した電子ビームリソグラフィ(EBリソグラフィ:Electron Beam Lithography)用のフォトマスクです。
EBリソグラフィーは、従来の光リソグラフィーに代わる技術として、半導体業界で研究が進められています。
トッパンは微細加工技術をコア技術としてステンシルマスクの開発を進め、供給体制を構築しています。
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【電子線描画機とステンシルマスク】
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部分拡大図